台風10号により甚大な被害を受けた岩手県岩泉町に行ってきました
2016年9月30日(金)~10月1日(土)、嵐田初広理事と髙橋尚専務理事2名で岩泉町に行ってきました。
【経過】
8月30日(火)夜、岩手県大船渡市付近に上陸した台風10号による大雨で、北海道と岩手県などの20河川で堤防が決壊するなどして住宅が浸水する被害が発生し、岩手県内では11名が死亡、北海道では3人が行方不明となっている(2016年9月1日 朝日新聞)。
生活クラブやまがたでは、被害に遭われた方たちの一日でも早い復旧・復興を目的に、9月5日(月)から9月23日(金)まで、主な支援先を岩手県岩泉町として「思いやり募金」の取り組みを開始しました。合わせて大動脈の国道455号線が寸断されているため、水や食料(レトルト食品など)の提供も呼びかけました。
【集約結果】
1.思いやり募金 1,539口 769,500円
内訳(1口 500円)
山形支部 304人 511口 255,500円
米沢支部 565人 1,028口 514,000円
2.支援物資
①組合員より おきたま米、野菜ジュース、水、調味料、レトルト食品など
②味輝さんより 全粒食パン、角食パン、クリームパン、雑穀パン、ベーグルプレーンなど40点
③トーエー食品さんより ノンカップめん「和風セット」2,000食
④ほか 毛布100枚、大人用、子ども用マスク、長袖、帽子など
味輝さんには、岩泉町に行くのならと、天然酵母パンを急ぎ手配していただきました。
トーエー食品さんには、ノンカップめん2,000食を無償提供いただきました。
【活動内容】
★2016年9月30日(金) 支援物資搬送
13時15分、片道371kmの行程を夜7時着の予定で本部センターを出発。17時 盛岡に到着。17時15分 国道455号線にのる。暗くなってきてからの急カーブの連続の山道を延々と約90km走行。19時30分 岩泉町役場に到着。早速 伊達勝身町長に組合員から預かった思いやり募金「70万円」をお渡しする。19時40分 岩泉町民会館に支援物資を届ける。保健福祉課 佐々木寿行課長からお話を聞く。
伊達勝身町長、嵐田初広理事
小本川(おもと)の決壊による被災世帯は600超(全壊、半壊含む)。現在5ヶ所の避難所に300人を超える方たちが身を寄せる。(持参した)毛布の提供は大変ありがたい。これからの季節(気温11℃)、何枚あっても助かる。仮設住宅の設置はこれから。水道や電気など100%とはいかないがほぼ復旧した。
ボランティアは平日で100~200人(少ない時20人前後)、土、日で300~400人(ピーク時600人位)。被災した住宅のほとんどが水を被っているため、床下に入り込んだドロだしが急務。今のところの進捗状況は50~60%くらい。我われが向かった9月30日(金)、タレントの“なすび”が泥だしに汗を流したそう。
3.11の被災世帯数200と比べ、今回の水害の規模は3倍以上にも上る。(ここは施錠する習慣がないことから)3.11時に被災した家屋から金品がなくなるという被害が相次いだため、今回はパトカーがひっきりなしに町を巡回している。佐々木さんの話では地元の人ではないとのこと。家財のほとんどが流出してしまった町民は、冷蔵庫や洗濯機、コタツやストーブなど、家電が必要となっている。
20時15分、本日の宿泊地B&G岩泉海洋センター着。体育館のようなところに畳が敷かれていて、日本赤十字社から手配された毛布を下に二枚、上に二枚重ねて床に入る。8人ほどの寝息と寒さでなかなか眠れなかった。避難生活というものを実感した。
★2016年10月1日(土) 泥出し作業
8時40分、ボランティアセンター着。嵐田と髙橋、盛岡から来た40代と30代、20代の男性と二戸から来られた女性と6人のグループとなった。作業をさせていただいた家の工藤さん(下写真中央)が当時の模様を語ってくれた。
工藤さんのお宅は、後ろに見える玄関がほぼ隠れるくらいの水が来たとのこと。消防から避難指示が出されていたが、これまで小本川が氾濫したことがなかったため避難が遅れた。急ぎ避難所に向かおうと自宅を出た時の水位は“くるぶし”くらいだったと思う。それからものの2~3分で下半身が隠れるくらいとなり、坂の上で手招きをしている消防の人たちを確認して後ろを振り返った時、濁流にのってトタン屋根や車が勢いよく迫ってきた時は生きた心地がしなかったという。自宅の2階に避難していた人たちもいたが、幸い雨の勢いがおさまり、事なきを得たという。あのまま降り続いていたら、被害はさらに大きくなっていたと思う。
過去にとらわれない危機意識の啓発が不可欠であると感じた。
工藤さんの玄関前にて
リビングの泥だし作業の様子